NEO踊るOL。

もう踊っていないOL。Writer/Editor。おいしい肉に目がない。都内に生息。

【書感】エラーはできるだけ速く!~小さく賭けろ!/ピーター・シムズ

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こんばんは、積ん読本の山に慣れ始めている踊るOL。です。

さて、本日ご紹介するのは珍しく翻訳書。
日経BP社のNさまよりご恵贈いただきました!超うれしいです。ありがとうございます!

よく「人間は”経験”からしか学べない」と言われます。
アタマで理解していても、実際にやって(=経験して)みないと、ハラオチしないわけです。

でも、失敗するにせよ成功するにせよ、新しいことを始める時ってちょっと億劫。
しかもそれが成功するかどうか、やってみないと分からないときはなおさらです。


誰だって失敗するのはイヤ。そりゃそうです。

だったら、どうするか。
できうる限り、事前にイロイロと情報を集めたり、準備を整えたりします。

で、大々的にスタートした新規事業が、あっという間にコケてしまう…なんてことが多々あるわけで。


そんなスタートアップに際して、本書が提唱するのが
小さく賭けて 素早い失敗、素早い学習を繰り返すこと」。

大きく賭けて、大きく失敗したんじゃ、イチイチ時間もコストもかかるし、ダメージも深い。
だから、TRY(小さく賭ける)&ERROR(素早い失敗)をぐるぐると繰り返して、学んでいきましょうよ、ってことですね。




●小さな賭けの原則がコレだ!

だいぶ長いけど、引用。
●実験する
 ―試行によって学ぶ。素早く行動し、素早く失敗して教訓を引き出す。

●遊ぶ
 ―創造的なアイデアを窒息させる焦りによる早すぎる判断を防止する。

●没頭する
 ―人々の行動の動機となる欲望にまで踏み込んで、世界のものごとは
  どう動いているかを深いレベルで理解する。

●明確化する
 ―吸収した情報に基づく洞察を利用して、問題を再定義する。

●出直す
 ―より大きな問題を発見するには、柔軟でなければならない。

●繰り返す
 ―何度も繰り返し問題に取り組み、テストを重ねるうちに知らず知らずに
  優れた知識、経験、洞察が蓄積されていく。
(P27-28から抜粋)
本の学校じゃほぼ教えてもらえないんじゃないかなぁ、。

学校では「正解」を答えるコが賞賛されるし、成績優秀と言われるので。
むしろクリエイティブは正解から外れてしまうので、褒められるどころか、怒られちゃうことだってあるでしょうね。

本当の意味での「クリエイティブな思考力」は育たず、思考は硬直しちゃいますよね。




●「最悪の場合、どうなる?」を考え、許容する

失敗を怖れる心理の中に、「最悪の場合、どうなっちゃうのか?」が分からないゆえの不安ってのもあるんじゃないかなぁと思ってます。

だったら、予め考えておけばいいんです。
本書では「許容できる失敗の原理」というコンセプトが紹介されています。
「小さく賭ける」ことの2つの本質的な利点が明らかにされている。
小さく賭ける場合、われわれは成功を夢想する必要がなく、失敗を予期し、許容できる。
そのためわれわれはアイデアの展開につれて、手段を自由に変えることができる。
やろうとしていることに必要なコトやモノを洗い出し、「自分はどういう人間であるか?(中略)自分は何を知っているか?(中略)自分は誰を知っているか?(後略)」を自覚して、ギャップを埋めればいいわけです。



●「成長志向のマインドセット」を手に入れよ!

ぜひ手に入れたいッ!と思ったのがコレ。
対局は「固定的マインドセット」だそう。

2つのマインドセットの違いを比較してみると、どちらが良いかは歴然です。

固定的マインドセット
   課題、努力、自分より能力がありそうに見える他人などはすべて脅威と感じられる。
成長志向のマインドセット
   同じことが脅威ではなく機会と感じられる。

本書によると、この2つのマインドセット、実はみんな両方とも持っているとのこと。
その割合がヒトによって違うらしい。

そして、「成長志向のマインドセット」は努力によって発達させるんだそうです!

その方法は2つのアプローチがあるとのこと。
自分でできることとしては、こっちかな。
1)状況を判断するにあたって、失敗のリスクではなく、
  学習のチャンスとして意識的にとらえ直すようにすると良い。
2)「最初はできないと思っていたことがやがてできるようになった経験」を
  思い出す。 (P78より抜粋)
マインドセットは一朝一夕で変わるものではないそうなので、コツコツと変えていくしかありません。他にも「難しくて恐ろしげに見えたのに、一歩一歩学んでいくうちにできるようになったことが、過去にあったのではないか?」と自問する等の方法が紹介されていました。

ううむ、ワタシも記憶をたどってみます。



●まとめ

本書の後半では、GoogleピクサーAmazonスターバックスなどなど、名だたる企業の事例が豊富に紹介されています。

シゴトのススメ方の本としても十分ですが、各社のスタートアップ時のエピソードをあまり知らなかったので、読みモノとしても非常に面白かったです♪

が、長くなっちゃったので(笑)、事例はご自分の目で確かめてみてください!

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■編集後記■

書感ってやっぱ難しいなぁ。
数をアウトプットしていくしかナイですな。
少しでも本選びの参考にしていただけると幸いです。

Nさん、改めてありがとうございました!
また美味しいモノを食べつつお話させてくださいませ!

<目次>

はじめに
第1章 「大きな賭け」対「小さな賭け」
第2章 成長志向のマインドセット
第3章 素早い失敗、素早い学習
第4章 遊びの天才
第5章 問題は新しい答え
第6章 質問は新しい答え
第7章 大から小を学ぶ
第8章 小から大を学ぶ
第9章 小さな勝利
第10章 あなたの「小さな賭け」

最後までお読みいただき、ありがとうございました!