
だそう。 本書の全体の構成は、以下3つに分けられています。初動にたっぷりと時間をかけるやり方です。キーワードは、ずばり「最初のうちは、がんばりすぎない」こと。
以下、それぞれのパートにおいて、ワタシが「これは!」と思うポイントをご紹介してきます。*第1段階:減速してタイミングを待つ 構造を見切る/肌感覚を身につける/助走をとる *第2段階:一気に加速する 一点突破で強みを活かす *第3段階:もう一段階上のブレイクスルーを可能にする 借りる力を身につける/直感に従って決断する/対立する概念を受け入れる

とのこと。 スロー・インの段階は、いわゆる「伸び悩み」の時期。 「できるぞ!」という段階に入る前のこの時期こそ、力を溜めるチャンスです。 逆にこの「伸び悩み」の時期に頑張りすぎてしまうと、グーンと伸びる瞬間を迎える前に「もういいや」と投げ出してしまいがちです。 このように燃え尽きてしまわないために必要となるのが、「見切る力」だと著者は言います。 本書でいう「見切る力」とは、 ①全体像を把握する ②重点ポイントを見定める ③できないことはやらない の3つ。 ①のオススメされていたのが、参考書などを読む際に「目次の熟読」です。 コレ、ワタシも書感を書くときに実践していることなので、非常によく分かります。 つまり、目次をよく見ることで、その本のおおまかな構造を把握することができます。 そうすると、「今はこの部分の話だな」と分かるので、分厚い本でも怯むことなく読み進めることができるのです。 ②は本書を読んでいただくとして、③で「なるほど!」と思ったのが、試験勉強における勉強の仕方。初動で時間をかけて力を溜めることができれば、たとえ最初はグダグダでも、あとになって倍速で巻き返せるようになるのです。(p.19)
できる問題だけをやり続けることで、「伸び悩み」の時期に心折れずに勉強を続けられたそうです。 初動の苦しいときは、小さな「できた!」を繰り返すことが大切なんですね。大学在学中に司法試験に合格することができたのは、「できないことはやらない」を徹底したから(p.35)

とのこと。 単純作業に見えても、ディティールに細心の注意を払って行なっていると、「小さな違和感を覚える」というような感覚的なものを肌で感じ取れるようになるそうです。 この地道な作業を繰り返すとき、全体像がつかみきれていないままだとゲンナリします。 そんな時のオススメ方法が「小さな作業や課題に切り分ける(p.56)」ということ。 前項の「できないことはやらない」をココでも適用するわけです。実は”本質的なこと”とは、小さくて膨大な数のデータやファクツ(事実)の中に、ひっそりと埋もれていることがあります。 そういうときは、第三者的な俯瞰の視点で眺めていても”本質”をつかむことはできません。本質を得るために、ひたすら実践を繰り返すほうが早いことがあるのです。(p.46)
「100個だとゲンナリするけど、5個だとできる」は至言だと思います。「できそう」な大きさに切り分けたら、集中力をもって一気に片付けてしまう。できることをやる。できそうもないことは、できることに変えてしまう。これが鉄則です。(p.57)

このアウトプットの段階で著者が気をつけていることが、「一点突破でいく」=「自分の強みや専門性を伸ばす」ことだそう。 このアウトプットの段階をまとめると、 1)自分の強みを把握して 2)できそうなことに対象を絞り込み、 3)やると決めたら、即座に120%の力を注ぎ込んで実行する ということになります。 この章で特に響いた部分をまとめて引用してみますね。長い伸び悩み期間を通り抜けてグーンと上昇し、巻き返しをはかる局面です。(p.92)
いろいろなビジネス書にも「強みを活かす」ことの重要性が書かれています。 著者がMBAをとったハーバード・ビジネススクールでも、授業の一環として「自分の強みは何か」について考える機会があったそうです。 Deep Self-Reflection(「深く内省すること」というような意味)について簡単に紹介されていますが、コレはぜひワタシも実践してみたいと思いましたよ! (本文:3003字) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ■編集後記■ 本書の勉強法は、あくまで岩瀬さんのやり方ではありますが、ワタシも飽きっぽいしムラが多いので、見習いたいポイントがたっくさんありました!もう、全科目が70点の人なんて必要ありません。ひとつの科目で、200点、300点、場合によっては1000点とれる人が求められているのです。(p.93) * 一点突破をするときは、中途半端にやってはいけません。 自分の中にあるすべてのものを出し切る気持ちでやる。倒れるくらいまで出し切ることが大切です。 自分の強みや専門性とは、こうした全力投球を続けることで磨かれていくのだと思います。(p.95) * 自分の強みを最大化するためには、自然体で力を発揮できることが大切です。(p.105) * 自分の役割を知ったうえで、できることから始める。 できそうなところから、小さな勝ちを積み上げていくことが大切です。(p.108) * 全力を尽くしたうえで「これは向いてないな」と心の底から思えたら、そのときは容赦なく切り捨ててしまいましょう。(p.114)

<こんな書感はいかが?><目次> はじめに 飽きっぽい僕の勉強法 第1章 全体を眺めて構造を見切る 第2章 実践を通して肌感覚を身につける 第3章 対象から離れて助走をとる 第4章 一点突破で強みを活かす 第5章 「借りる力」を身につける 第6章 直感に従って決断する 第7章 対立する概念を受け入れる おわりに 学び方を学ぼう


