さて、今日ご紹介するのは、日経BP社さんから発売されている
「フォースクエア 位置情報の威力」です。
※本書は日経BP社編集のNさまよりご恵贈いただきました!いつもありがとうございます!
そもそも「フォースクエア」って何ぞや?という方もまだまだ多いでしょう。
Wikipediaの解説を一部引用してみると、
foursquare(フォースクエア)は、位置情報に基づいたソーシャル・ネットワーキング・サービスのウェブサイト、携帯電話用ソフトウェア、およびゲームである。ということになります。
ざっくり言うと、GPS付の携帯端末を使って、いろんな場所にチェックイン(位置情報をフォースクエアに送信)することで、いろんなメリットがあるよ!って感じです。
TwitterやFBをやっている方だと、「I'm at ◯◯」って書き込みを見たことがある方も多いでしょう。
でも、
「自分の居場所を知らせて、何が楽しいの?」とか
「居場所を知らせるなんて、何だかキケンじゃない?」と思う方も多いと思います。
(実際にワタシも友人によく訊かれます)
本書は、フォースクエアが生まれたアメリカにおける企業の導入例が豊富に掲載されています。
日本じゃまだまだ本格的に導入している企業は少ないけれど、とてもオモシロイので幾つか事例をシェアしてみますね。
↑現在のワタシのバッジ一覧。まだアンロック(解除)できてないヤツもある。
●ユーザーが勝手に口コミで広めてくれる。しかもタダで!
本書では50以上の豊富な事例が紹介されています。
主に企業側の目線で書かれていますが、フォースクエアを利用してビジネスで成功するためのPointは以下7つにまとめられています。
Connect:まさにコレに尽きるかと。
フォースクエアの利用をブランドと結びつける物語を作ろう。
Harness:
ユーザーの心をとらえよう。あなたのブランドを知らない、あるいはすぐには思い出せないユーザーに、フォースクエアを使ってブランドのイメージを新たに刷り込もう。
Engage:
常に役立つ情報、面白い情報を送り込み、消費者や顧客を惹きつけよう。
Create:
フォースクエアのさまざまな無料ツールを利用して顧客についての情報を収集し、顧客がブランドを利用したり関心を見せたりすることへの見返りを創り出し、提供しよう。
Knock Out:
いち速くフォースクエアの創造的な利用方法を編み出し、先手を取ってライバルをノックアウトしよう。他人の成功例を待ってはいけない。自ら成功例となろう。
Incentive:
繰り返し何度もチェックインしてくれるようなインセンティブを顧客に与えよう。
Never Stop:
フォースクエアの真価はユーザーが楽しめるところにある。顧客を楽しませ続けることを絶対に止めてはいけない。常に面白がらせよう。
HOOTERS(フーターズ)の事例を紹介してみます(日本でもやらないかな…)。
フーターズのミズーリ州カンザスシティ担当支配人は、フォースクエアでチェックインした客に、チキン・ウイング10個を無料提供すると決めた。チェックイン&特典を利用したフォースクエアのIDをチェックすれば、再訪したかどうかもすぐ分かりますよね。
(中略)
「予想するよりずっと気前のいい思い切ったスペシャル特典の提供で、フーターズにしばらく足を運んでいなかった客を呼び戻すのに大いに効果があった」
(中略)
スペシャル特典をアンロック(獲得)した客は、その後も来店する比率が高いことが判明した。(P94)
飲食店はリピーター命とよく言われますが、フォースクエアを使うことで、企業はマーケティングデータを手に入れることができるわけです(※)。
もちろん、ユーザーは美味しいチキン・ウイングを食べられる、と(ワタシも食べたくなってきました…w)。
※注)無料管理ツールを使うことで、性別・年齢別・時刻別データ等を得ることができる。
Foursquare stickers! / Lucius Kwok
●ヒトは「特別扱い」が大好き!
ヒトは誰しも「自分は特別」と思っているものです。
周りに対してではなく、自分自身にとって、自分は特別な存在ですよね?
(集合写真で真っ先に探すのは、自分の顔のはず)
フォースクエアはゲーム性も備わっており、各ベニュー(店舗や施設など)には「メイヤー」がいます。
本書冒頭の解説を引用すると、メイヤーとは「フォースクエア上の店舗や施設に大して、チェックイン数が60日間でもっとも多い人に与えられる称号。メイヤーは英語で市長のこと」とあります。
チェックインの回数を競って、メイヤーの座を奪い合うわけなんですが、メイヤーであることで特別扱いされたら、どうでしょう?
ワタシだったら、かなり嬉しいし、ますますそのお店や施設のファンになります。
事例として、レストランやコーヒーショップ、BARなどの例が載っています。
例えば、シカゴにあるパレス・ナイトクラブでは、メイヤー・スペシャルとして、
「メイヤーは常に1杯目のドリンクが無料」
とのこと。コレはかなり嬉しい!何度も通ってしまいそうです。
また、何も「無料」特典だけではなく、メリーランド州のミス・シャーリーズ・カフェでは、「メイヤーであることを証明すれば、人気の朝食、ランチ、またはブランチの時間に、列の先頭に案内される」そう。
コレ、スゴいアイデアですよね。
お店は1ドルもかけず、メイヤーはスペシャルな気分を味わうことができるわけですから。
Foursquare Tokyo Meetup_004 / TAKA@P.P.R.S
●日本ではどうなる?
本書には書かれていませんが、日本で今後フォースクエアはどうなっていくのか、非常に興味深く感じています。
ただ、正直現時点では、前述のような特典はほとんど提供されていないのが実情。
メイヤーになったら、それはそれで嬉しいけど、ただそれだけ。
本書にはユーザーとの具体的なコミュニケーション方法や、特典の作り方などなど、様々な実例が紹介されているので、ぜひ日本でも本書を紐解き、特典を提供してくれる企業やお店が増えることを切に願います!
フォースクエアにはオープンAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)があるので、そのAPIを使ったアプリも増えてきましたよね!
とにかく今後に期待してます!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
■編集後記■
本書ではほとんど触れられていませんが、チェックインはあくまで個人情報が漏れない範囲にしましょうね(特に女性は)。
自宅はもちろんのこと、自宅の最寄り駅へのチェックインもワタシはしていません。
職場の最寄り駅にはチェックインするけど、職場にはチェックインしないし、1人で行動している時は、その場所を離れるタイミングでチェックインしていたりします。
用心しすぎ?って思われそうですが、何が起こるか分かりませんからね…!
App Store - foursquare
ではまた!
<参考リンク>
5分でわかる foursquare の始め方 | WWW WATCH
5分でわかる foursquare の始め方 ...
始めてみよう、という方はコチラを参照くださいな
iPhoneアプリ「foursquare」のファンキーな日本語訳を集めてみた
お茶目な日本語に毎回笑わせてもらってますw
<目次>
イントロダクション これはいったい全体、何の騒ぎなのか?
第1章 ブランドとユーザーを結び付けよう
第2章 コネクションのスーパースターたち
第3章 新しいファンを囲い込もう
第4章 ニュービーのリーダー
第5章 フォロワーと密接な関係を築こう
第6章 スーパーユーザー
第7章 特典を作ろう
第8章 スーパー・メイヤー
第9章 ライバルをノックアウトしよう
第10章 人集めの達人
第11章 顧客にインセンティブを与えよう
第12章 地元のヒーローたち
第13章 遊び心を思い出そう
第14章 ハイになった王様たち
第15章 やってはいけない10ヵ条
第16章 フォースクエアの創立者たちに聞く
結論 今度はあなたがチェックインする番だ
<2729字/96分>