NEO踊るOL。

もう踊っていないOL。Writer/Editor。おいしい肉に目がない。都内に生息。

「『「スマート読書入門』出版記念セミナー」に行ってきました。

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先日、ふとTwitterを眺めていたら、10/7のイベントのプレゼンを拝聴した「Lifehacking.jp」主宰の堀正岳さんが、セミナーにゲスト出演されるとのこと。

この日は当初、シュラスコを食べに行く予定だったんだけどリスケになったので、迷わずエントリー。

御茶ノ水にある大学のほうには2009年末のイベントで行ったことがあったけど、大学院は秋葉原
なんだか最近、山手線の東側にばかり来てる気がする(笑)

本日のゲストは堀さんの他に、ネタフルのコグレマサトさんも。
そして、今回のメインである「スマート読書入門」の著者、まつもとあつしさん。

まつもとさんはデジタルハリウッド大学大学院の卒業生(第2期)だそう。
だからなのか、今日のセミナーは何と無料!太っ腹だな~


20時~と遅めのスタートだったので余裕で間に合い、最前列が空いてたのですかさず座る。
参加者は社会人と学生が半々くらい??


まつもとさん曰く、本日のセミナーは「情報の扱い方についてのディスカッション」とのこと。
わくわく。


セミナーは3者それぞれの情報の取り扱い方のプレゼンと、パネルディスカッションという構成。

以下、メモ。
※「#」が付いているのはワタシの感想部分です。

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■コグレマサトさん

まずはカンタンに自己紹介。2006年~ブロガーとして独立されたそう。
先日出版されたご著書「ネット速読の達人ワザ」も紹介されました。
幾つか本書に関する書評も紹介され、するぷさんの「和洋風◎」が出てきてビックリ(笑)

#ずっと前から一度お会いしてみたかったコグレさん。
 もちろん「ネタフル」も毎日チェックしてるので、嬉しかったです。
 アイコンとは似てなくて(?)、渋い声のイケメンさんでした~!

 
TwitterやReederは魚(情報)をすくう網
  instapaperはすくった魚を一時的に入れておくバケツ
  Evernoteはいつか食べるかもしれない魚を入れておく水槽
  ブログは魚を料理していただく場

 #ものすごく納得。わかりやすい喩えだと思いました。
   ワタシもコグレさんの本を読んで、Twitterからの情報は一旦instapaperに
   保存するようになったので。


<本に書いていないこと>

 1)RSSの消化方法
   ⇒2フォルダに集約。カテゴリ分けはしない(関係ない)
     ①よく読む
     ②時間があれば読む
    ※PCからRSSをチェックはせず、Reederを使ってスキマ時間に読む

 2)Choromeの「TooManyTabs」というExtentionを使って、タブをサスペンド(一時保管)する
   ⇒コレを使うとたくさんタブを開いても、メモリを食わない

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■まつもとあつしさん

同じく、まずはカンタンな自己紹介から。
東京大学大学院情報学環に在籍されているとのこと。スゴい。

だからなのか、アカデミックな言葉の選び方だなぁと思いつつ拝聴。
3.11によって情報の扱い方はどう変化したか?というような内容でした。


*情報が不足する中、それに振り回されないためには、「知識」だけでなく「知恵」が必要。

*知恵の集積である「本」をセルフヘルプのツールとして再評価すべきではないか?
  ⇒3.11後、書評クラスタはひたすら本の虫になっていた。

  #確かに「自分なりの情報の選択眼」を磨く必要はありそう。
    「知ってるだけ」じゃダメで、「知ってて、それをどうするか」が大切な気がします。

  #ネットには情報が溢れかえっているけれど、裏をかえせば誰でも情報発信ができる、
    ということ。発信された後に第3者のフィードバックはもらえるけれど、発信前にFBを
    もらうことはできない(=編集者がいない)。

    ネットの発信はほとんど無料だけど、本を出すにはお金がいる。
    つまりは、玉石混淆のネット情報に比べ、本はまだまだ有用なツールではないか、
    というように受け取りました。


*ソーシャルリーディングへの期待
  ・もともと明治時代まで、読書=「輪読」が中心だった。
    読んだ本について講義をする→一番評価の低かった者は日当たりの悪い部屋になる、
    というようなこともあったそう。=「輪講」という。

   #昔に比べ豊かになったからなのか、本の貸し借りってあんまりしないなぁと。
     学生の頃は本やマンガの貸し借りは当たり前のようにしていたけれど、
     最近のワカモノ達はどうなんだろう?

  ・電子ライブラリとソーシャルメディアを組み合わせた「独りよがりではない」読書が
   理想型だと考えている。
     ↓
   そこから生まれるディスカッションが、「知恵」の足腰を強くしてくれる

 <デジタル読書のワークフロー>
 


  #ブクログメディアマーカーはワタシも使ってます。
   ただ、自炊だけはまだ手を出せてないんですよね。。どうしても本に刃を入れることに
   違和感がありまして。。そろそろ自炊を本気で考えないと、床が抜けそうだし、これを
   機にチャレンジしてみようかな。

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■堀正岳さん

*まずは自己紹介というか、ご自身の役割について。
  ソースは海外を中心とした情報ソースと書籍で、それを翻訳して伝えること、だそう。

*3層型RSSで情報の流れを調整
  ⇒MustRead/Scan/Skip/超越フォルダ(家族・友人等のRSS)

 #コグレさんの2フォルダ制と似てますね。超越フォルダ、って面白いなぁ。


*外部記憶:Evernoteは互いに関係のない知識を串刺しできる
  ⇒チャンピオンタグ(よく使うタグ)を10個くらい作る(例:ブログ用・レシピ・引用 など)

 #ココがこの前のイベントの時、よく聞き取れなかったところだったので、良かった!
   チャンピオンタグか…ワタシももう一度ちゃんとEvernoteを整理しよう。

*アウトプット:ブログ・本
  ⇒ビジネスモデルは「人へのGift」なので、ブログは基本無料でOK。
   それがそのうち本の執筆依頼などにつながっていく。


●自炊について

 *本のスキャンは空間を作るため
   ⇒物質としては捨てたいけど、中身は捨てたくない→自炊して空間を得る

 *本は個人的な体験の場なので、手元にあるのはスキャンしたくない、手元に残して
   おきたい本ばかりになってきた。

  #確かに、ワタシも雑誌は躊躇なく自炊できるけど、スキな本であればあるほど
    自炊への抵抗感は強いかもしれません。


*何を読むか?保存するか?共有するか?の目利き力が必要

 #自分というフィルターを通して、情報を濾し取らなければならないということですかね。
  例えばワタシだったら、iPhoneアプリの情報はクリップするけど、アプリ開発の情報は
  読み飛ばす、みたいな感じかなぁ。ちょっと浅い喩えだけど。

*人と同じ情報を扱うなら
  ⇒人と異なる意見 or より深い意見 or より多くの意見を出す。

*人より先に情報に触れたなら
  ⇒いずれみんながやってきたとき、「こういうことだよね」という定説に、
    先に手をつけておく(読者に未来を見せる)。

 #ものすごく「なるほど!」と思った部分。コレを聴けただけで今日参加したかいがありました。
   Evernoteやいろんなアプリについて、既に尊敬するブロガーさん達がさんざんブログに
   書いていることを、あえてワタシが書く意味って何だろう?って思って今まで書かずにいたので、
   ハッとしました(かと言って、深い意見がポンポン出せるわけじゃないんですけれど^^;)。

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■パネディスカッション

まつもとさんからコグレさん・堀さんへの質問、という形が中心でした。

Q. 2chをネタ元にしているけど、(情報が玉石混淆で)扱いが難しいのでは?
A. コグレさん:基本的に2chまとめサイトは管理人のフィルタを通っている。
         但し、管理人の好みに偏りがあるので、おかしいなと思ったら元ソース(2ch)を
         確認している。2chは匿名だからこそ出てくるホンネが見えたりもする。

Q. キュレーションについて
A. 堀さん:ピラミッド型のキュレーション(キュレーターをトップに、そこを通った情報を底辺の人が受け取る)
       ではなく、クラスタ(同じ興味を持った人の集まり)に必要な情報は集まると考えている。
       キュレーターではなく、テイストメイカーのイメージ。

Q. 本の役割とは?
A. コグレさん:自分はあまり本を読まない。タイトル・装丁など手に持った時のフィーリングで選んでいる。
         ネタフルは、1番の読者として自分が読みたいモノを書いている。
         記事を書く際、人間関係は気にする。過去記事を検索し、整合性を見たりもする。
  堀さん:  論理の集大成として本を読んでいる。一過性のものはスキャンして処分している。

 #本の役割についての回答でなかったのが少し残念。


Q. 震災と個人情報の管理・発信のあり方
A. 堀さん:   Lifehack.jpでは政治的なことは原則発信しない。
          書いた時に反論がきても議論はしない。そういうクラスタにいる人なのだ、と思うから。
          勝間さんのような言論人ではないので。
  コグレさん:ネタフルも同様。情報の味付けをしている。

  堀さん:   情報爆発と言われるように、情報だけはたくさんあるが、決断するメカニズムが
          政治にも会社にも個人にも無いように見える。そのことが一番心配。


Q. リテラシーの世代間ギャップをどう捉えるか?
A. 時間が解決してくれる。

 #確かに…今の40歳以下の世代って、新しいモノが出たときに、まずは試してみて、
  直感的に使ってみる、っていう行為に抵抗は少ないんじゃないかなぁ。


Q. デジタル時代の紙の本やノートの価値は?
A. 堀さん:情報の生存時間は情報量の増加に反比例して、どんどん短くなっていっている。
       ソーシャル、クラウドの時代にどうなるか分からないが、もう少しの間、紙は必要とされる。
       「書く」という行為そのものは自分に近い行動。

Q. 何を選んで何を出してくか?
A. 堀さん:   ネット上で間違った情報があるのを見つけると、胸がざわざわする。
  コグレさん:基本スルー。ネット上でも距離感が必要だと思う。


●会場からの質疑応答

Q. 学生さん:iPadを使って授業を録音しつつEvernoteにノートをとり、友人と共有している。
         もし3人が今学生だったらどのようにノートをとるか?
A. 堀さん : 情報の上のレイヤー(自分がどう反応しているか?)を記録として残しておく。

 #余談ですが、この学生さんによると、授業はiPadで録音しつつEvernoteにノートを取って
  友人と共有したりするそう。ふおー、未来、だなぁ。

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●まとめ

*アウトプットの場がないと「NextAction」が生まれない。
  個人のモノとしてEvernoteに入れておくだけでなく、他人の目に触れ、フィードバックを
  もらえるブログにアウトプットして初めて価値が生まれる。

*どんなソーシャルメディアが流行っても、最終的にリンク先としてたどり着く「場」はブログ。
  ブログの価値が見直されつつある。(もちろん自分のブログの定期的な解析も重要)

TwitterやFB等によってブログを注目してもらえる機会が増えてきた。
  ホームが1つあってログが貯まっていけば、奇跡が起きる可能性は大きくなってく。

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■編集後記

ものすごいボリュームになってしまいました…
ワタシの課題はセミナーレポを書くときに、取捨選択することかなぁ。
まだまだ自分のフィルターに自信がなくて、インプットしたものをたくさんアウトプットして、
読み手に選択(=フィルター)を委ねている感じ。

精進します!


まつもとさん、コグレさん、堀さん、デジタルハリウッド大学大学院の皆さん、
ありがとうございました!