
「
ブックライター」という職業をご存知ですか?
え、知らない?
それも無理のないこと。
この職業の名前は、上阪徹さんが命名したモノなのです。
ブックライターとは、著者の代わりに本を書く人のこと。
素晴らしいコンテンツを持つ著者を取材し、本のカタチに仕上げるのがお仕事です。
というわけで、今日はブックライター上阪徹さんの
トークイベントに参加してきましたよ!
(冒頭の写真は、これまで上阪さんが携わった本たち。自著とブックライターとして関わった本があります)
トークのベースは、先日刊行された上阪さんの新刊「
職業、ブックライター。」でした。
参加者は124名!会場となった
講談社の中で一番大きな会議室でのイベントとなりました。
14~16時の2時間イベントだったんですが、
トークも質疑応答も白熱しまくって、30分以上延長して終了!(サインの列に並んでいた方は、おそらくもっと遅くまで)
上阪さんが本書で伝えたかったことは5つ。
1)編集者が困っている
2)誇りを持てる職業である
3)稼げる仕事である
4)本づくりは難しくない
5)書ける人は大勢いる
講演では、本書に載っていない内容を中心に、上阪さんの仕事哲学やウラ話が盛りだくさんでした!
以下、一部をご紹介します。
Pen and Paper / qisur
●上阪さんの仕事哲学
講演全体を通して、随所に「コレは!!!」という言葉があったので、講演の内容をご紹介する前に、抜粋します。
*会ったことのない人の悪口を絶対に言わない
会ったことのない人の悪口を言う人を信用しない
*売ることより、役に立つこと
*「運がいい」と思い込む&運だけに頼らない
*誰かの役に立つことを、仕事という
*仕事は選ばない
いただけた目の前の仕事に向き合ってきただけ
選んで見えるのは、たかだか想像できる未来
想像できない未来を楽しむ
*人生には「創造力」より「想像力」が必要
*コレはこういうモノだ、と言った瞬間、枠の中から出られなくなる
どういう文脈で語られたのかは省略しますが、いやはや、アツい!
sketch books / jennypdx
●本づくりのツボって?
「そもそも、みっともない本を著者は出せない」
とおっしゃる上阪さん。
ブックライターの仕事は、取材7割・執筆3割くらいの割合だそうで、取材がコケたら執筆の際に困ってしまいます。
「聞き漏らしたことがあるなら、追加で聞けばいいじゃん」
と思うかもしれませんが、上阪さんは追加取材ゼロ。
取材対象である著者は、大企業の社長やスポーツ選手など超多忙な方ばかり。
取材に同席する編集者さんも多忙です。
なので、「構成を直させない」覚悟で臨んでいるそうです。スゴい。
また、編集者さんとの目線合わせも大事とのことで、
「
何が面白いのか」
をしっかり共有することを意識されているそう。
編集者の評価≒読者のリク
エストに応えられているということ。
自分と読者、編集者の「面白い」が合致しないと、ピントの合ったコンテンツができないそうです。
●仕事がやってくるコツ
「
仕事が仕事を呼ぶ」とおっしゃる上阪さん。
驚くことに、これまで「営業」をしたことが無いそう。
同業者の集まりや、セミナーも好きじゃない。飲み会も月に1~2回行くかどうか。
そんな上阪さんの仕事の依頼はほぼ全て「紹介」と「リピート」からとのこと。
ブックライターの仕事は、
クオリティ100点・スケジュール100点の200点満点だと考えているそう。
クオリティを100点にするのは至難の業だけど、スケジュールを守ることは誰にでもできるとのこと。
なので、スケジュール(主に締切など)は絶対に守るようにしているそうです。
(つまり、他のライターさんは守らない方も多いということですね)
とにかく「
発注者なら何が嬉しいか」を意識されているとのこと。
発注者側なら、どんな人に仕事をお願いしたいか、想像してみることが大切だ、と上阪さん。
それがイメージできれば、態度も姿勢も自ずと変わる、とおっしゃっていました。
コレ、他の職業でも言えることですよね。
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■感想■
質疑応答も白熱しまくりで、久しぶりに手がつりそうになるくらいメモを取りました。
本書の書感は改めてアップしますが、「追加取材はしない」という覚悟で臨んでいらっしゃる取材の現場、コッソリ覗いてみたいなーと思っちゃいましたよ!
イベント後、上阪さんの取材メモを拝見できたんですが、コレがとにかくスゴい!圧倒されました…!
「月に1冊本を書く」という上阪さんの秘密を垣間見ることができた貴重な機会でした!
ではまた!
書くチカラをつけるため、とあるチャレンジを決めた踊るOL(
@jaggyboss)でした!
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