NEO踊るOL。

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【書感】アナタはちゃんと「聞けて」いますか?~会話は「聞く」からはじめなさい/上阪徹

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こんばんは!ヒトの話を「聞く」仕事に就きながら、いまだに「聞く」ことに自信の持てない踊るOLです。

さて今日ご紹介する本は、以前からリスペクトしている上阪徹さんのご著書。
しかも編集はお友達のTさん!

コレは読まないわけにはいきません!

上阪さんといえば、著名人から一般の方まで3000人以上のヒトに、ライターとしてインタビューをされてきた、まさにコミュニケーションのプロ。

そんな上阪さんがコミュニケーションにおいて、最も大切にしていらっしゃるのが「聞く」ことについて、そのココロエを教えてくれるのが本書です。


会話が苦手なヒトはもちろん、得意だと思ってるヒト・モンダイ無いと思ってるヒトも、きっと新しい気づきがあるはず!(ワタシも「なるほどー!」と膝を打つポイントがいっぱいでした!)




●会話の流れをシミュレーションする

なるほど!と思ったのが、本書P63の「相手が話しやすい質問の順序がある」という点。

「何を質問するか?」だけでなく、「どういう順番がいいか、流れをつくる(P65)」ことが大切だそうです。確かに、質問があっちこっちに飛ぶと、答える側は混乱しますよね。

上阪さん曰く、「最もダメなインタビューの典型例は、先にも書いたように、話があっちこっちに飛んでしまうこと(P128)」だそう。

そうならないための準備方法が紹介されています。
1)企画の方向性やターゲットの想定などから、5~10ほどの質問を紙に書き出す
2)どういう順番で聞いていくのが最も流れのいいインタビューになるか、考える
3)もうちょっと突っ込んで聞けるといいな、という質問は「小質問」にする
  (流れや時間によって「大質問」だえにするか「小質問」も使うか考えられる)
4)(2)で考えた流れの順に質問を並べる
5)再度読み込んで、質問に対する答えを想定しておく
 (P129を箇条書きで抜粋)
普段の会話でココまで準備するのは大変ですが、ずっと会いたかったヒトに会える機会に恵まれた時などには良いかも!てか、もっと早く知りたかったです(笑)


●質問はムズカシイ

ワタシはセミナーや講演会等の質疑応答で質問するのがニガテです。
その場でパッと思いつかなくて、家に帰ってブログにまとめている時に質問を思いつくんですが、時すでに遅し…ということもしばしば。

その場ですぐ質問できるヒトはスゴいなぁ…といつも思っていたんですが、アメリカではそもそも「気の利いた質問をするのはムズカシイこと」という認識があるそうです。

その認識の上で、
*早く手を挙げるという行為そのものが極めて高く評価される
*初歩的な質問をすることも決してネガティブな行為ではない (P204)
という認識があるそうです。なるほど、日本の雰囲気とは違いますね。

上阪さんは「最初に質問者、発言者になることを自分に課す」ことを勧めていらっしゃいます。
そうすれば、「何が話されているのかを理解し、場の空気を読み、効果的な質問や発言を繰り出さなければならない。しかし、だからこそ、聞く力を磨く絶好の場になる(P205)」とのこと。うむむ…ムズカシイですよね。

質問を考える上でのポイントは、
 *誰でも聞きそうな質問はしない
 *誰かの名前を借りて聞く
 *キラークエスチョンを用意しておく
など、他にもたくさん!今日からでも取り入れられることばかりでした!
(詳細は本書をお読みくださいね~)




●目的>自分

上阪さんがインタビューの場において、聞きたいことが聞けるようになった理由が、
自分を捨てた、ということ(P227)」だそう。

この言葉、本書の「おわりに」に書かれているんですが、ガツンときました。

会話に限らず、読書法や英語の勉強法についての本などにも書かれていますが、常に「目的」を意識することの大切さを、改めて本書で学ぶことができました。

その会話の目的は何か?
(上阪さん曰く、友達との会話を「楽しむ」のも目的とのこと。確かに!)

その目的を達成するには、どのような姿勢で、どのような服装で、どのようなシチュエーションで会話を交わすのが良いのか。

相手のコミュニケーションタイプは?(話すスピードやリズム、声量から類推できることは?)
質問に集中しすぎていないか?
自分は相手の回答に、キチンと反応できてるか?

考えること・意識することは、たっくさんありますね^^;


大切なのは、会話の目的を果たすために、相手と信頼関係を築くこと。
上阪さんは「最も聞きたい質問のところで『よくぞ、この話を聞いてくれた」という表情をつくってもらうこと(P35)」をひとつの目標にされているそうです。

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■編集後記■

上阪さんとの出会いは、「プロ論。」でした。
出会い、と言っても、一方的に本を拝読したんですが、ボロボロになるまで読んで、文庫版を買い直したほどステキな本で。

先日とあるパーティーで初めてお目にかかって、別の会でお会いした際はワタシのことを覚えていてくださって、とにかく感動しまくったんですが、本書を拝読して、よりいっそう尊敬の念を強めた次第です…!

今度お目にかかる機会があったら、本書に書かれていることを思い出しながらお話を伺いたいと思います♪

<目次>

第1章 聞いてくれる人は、なぜ信頼されるのか
第2章 「思わず話してしまう人」は何が違うのか
第3章 苦手な人と、どうコミュニケーションするか
第4章 続かない会話を引き起こすタブー
第5章 コミュニケーションのステージを上げるために
第6章 日頃の行動が「聞く力」を高める

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ではまた!