NEO踊るOL。

もう踊っていないOL。Writer/Editor。おいしい肉に目がない。都内に生息。

【書感】指導しなくても部下が伸びる!

スポンサーリンク

こんばんは!別拠点の新人さんの研修でバタバタな踊るOLです。

今日ご紹介するのは、日経BP社さんの「指導しなくても部下が伸びる! 」です。
本書は編集の方からご恵贈いただきました!いつもありがとうございます!


本書のサブタイトルは、
すべてのプレイングマネージャーに捧ぐ ”結果を出せるチームづくり”の行動習慣72

「新しいチームがスタートするとき」「仕事を任せるとき」「面談の場で」「部下が失敗したとき」など、10つのシーンに合わせて、プレイングマネージャーが取るべき行動習慣について紹介されています。

知りたいシーンから読んでもOKですし、もちろん順番に読んでもOK!という構成です。


本書によると、個人の業績を持っている課長の割合=プレイングマネージャーの割合は、
1985年には20%にも満たなかった割合が、2008年には90%台に到達(P14)」したそうです。

おおお、確かに周りのマネージャーさん達、ガッツリ数字目標持ってるわ…

そんなプレイングマネージャーさん達の問題点は、
部下に高いパフォーマンスを求めすぎてしまいがち
   ↓
本来は部下が担当すべき仕事を自分で抱え込んでしまう
(「そんな簡単なことがなぜできない?」と大きなストレスを感じてしまう)
   ↓
ますますマネジメントの時間がなくなる (P15)
という悪循環に陥ってしまっていること。

そこから抜け出すためには、今までの3つの「思い込み」を捨てる必要があります。
その思い込みとは、
1)自分は、リーダーとしてトップの成績を残さなければならない
2)部下は、細かく指導しなければ思うように動いてくれない
3)メンバー各自ががんばっていれば、チームの目標は達成される(P16-17)
という3点。


本書では「指導者」ではなく「促進者」になることを勧めています。

促進者=ファシリテーターとして、チームのメンバーと向き合う際の考え方とは、
1)誰もがいい仕事をしたいと考えていて、そのための知性と能力を持っている
2)立場や役職にかかわらず、誰の意見にも同じだけの価値がある
3)意思決定はひとりで行うよりも、チームで行ったほうが質の高い結果が出る
4)人は、みずから考えたことに対しては主体性と情熱を持つようになる
(P20-21)
という4つ。

この4つの考え方を基本に、10つのシーンのうち幾つかピックアップしてご紹介します。
 


<プロジェクトが動きだすとき>

様々な例が紹介されていますが、ココでは「チームの意思決定プロセス」の6つのステップを抜き出してみます。
ステップ1:目的・目標の確認
ステップ2:問題点の抽出(情報収集)
ステップ3:問題の分析(原因の発見)
ステップ4:解決策の列挙
ステップ5:アイデアの評価
ステップ6:解決策の決定(意思決定) (P60-61)
この6ステップをリーダーが率先して活用することで、メンバーも個人の問題解決する際に活用できるようになるとのこと。結果として、「チーム力の底上げ」ができるそうです。


<会議の場で>

ミーティングへの意識の高め方、メンバーに役割を持たせる等、様々なコトが紹介されていますが、明日からプレイヤーでも誰でも使える「議論が行き詰まったときのカンニングメモ」をご紹介します。
*目的に立ち戻ろう(そもそも何のための議論か)
*より高い目的や目標から見よう(個人→チーム→組織)
*より広い視点で見てみよう(短期→長期、局地→全体)
*第三者の立場で考えてみよう
*ここまで話したことを整理しよう
*いったん話題を変えてみよう
*少人数のグループにして話させてみよう
*休憩を入れよう
*気分転換に席替えをしてみよう (P138)
そして、議論の際は「議論を『見える化』」することが大事とのこと。
書き出すことによって、発言者は「受け止めてもらった」と感じるものだそう。

逆に「見える化」しないと、「この会議って、結局ナニが決まったんだっけ?」となってしまいがち。よし、今度カイシャでも実践してみよう。


<部下が成功したとき>

仕事がうまくいっているとき=仕事にやる気がみなぎってる状態なので、「さらに意欲を高めるためのポイントを見つけるためのチャンス(P174)」だそう。

その動機づけポイントとは、
*認知(成果に対する感謝、努力を認める等)
*フィードバック(継続的にFBを与える)
*チームワークや帰属意識(チーム内で協力する機会、業務以外での交流等)
*責任(プロとして扱う、徐々に監督の量を減らしていく)
*能力開発(スキル構築のためのコーチングを行なう等)
*チャレンジ(やりがいを感じられるPJTを担当させる等)
*達成感(組織やチームの戦略に対する貢献度を理解させる)
*サポート(リソースを与えてコーチングする、バックアップする)
*自主性(課題設定、時間の使い方、チーム編成などに自由度を持たせる)
(P174-176から抜粋)
上記に加え、勝因・敗因を分析、次のステップを考えさせることで、部下のパフォーマンス向上につながり、結果として個人から進んで責任や仕事を引き受けようという気持ちを引き出すことになる(P177)そうです。

確かに成功要因はキチンと分析しないと、いつまでたっても再現性が持てないですもんね。
失敗要因も、しっかり分析することで、同じような失敗を防ぐことができます。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
■編集後記■

今はまだ部下を持っていないヒトでも、役に立つTips満載の1冊でした!

ココでは紹介しませんでしたが、P84~紹介されている「行動特性モデル」は前職で学んだ「STAR研修」によく似ていて、面白かったです♪


編集ご担当者さま、ご紹介が遅くなってしまい申し訳ありません!
&ご献本いただき、ありがとうございました!

<目次>
はじめに
序章:”指導者”ではなく”促進者”になれ
SCENE1:新しいチームがスタートするとき
SCENE2:プロジェクトが動きだすとき
SCENE3:仕事を任せるとき
SCENE4:日常業務のなかで
SCENE5:面談の場で
SCENE6:会議の場で
SCENE7:ランチ・飲み会のなどの場で
SCENE8:部下が失敗したとき
SCENE9:部下が成功したとき
SCENE10:プロジェクトが修了したとき
終章:あなた自身が手本たれ
おわりに