久しぶりの書感になってしまいました。。
もっとペースを上げるべく、試行錯誤中でござます。
さて、今日ご紹介するのは、お馴染みディスカヴァー21社さんの本。
いろいろなビジネス書を読んできましたが、「思考パターン」を紹介する本はあっても「思考の質」を高める方法を具体的に提示した本って、ほとんど無かったんじゃないかな?
本書はそんな「思考の質」を高めるための「視点の動かし方」について超具体的に解説した1冊です。
ざーっくりまとめると、
*"思考の行きづまり"を打破するには「視点を意識し、動かしてみる」こと。という感じ。
*ビジネスにおける重要な視点とは、以下3つ。
1)全体を見渡す視点=レベル
2)相手の立場から見る視点=ポジション
3)長いスパンでものごとを見る視点=時間
*状況に応じて3つの視点を統合することで、思考の質を高めることができる。
以下、順番に見ていきます。
My eye / neuroticcamel
●放っておくと固まる視点は、意識的にグリグリ動かそう
そもそも、なぜ「視点」が大事なのか?という話。
「視点」とは「自分が今どこに焦点を当ててものを見ているか」ということです。この「どこを見ているか」によって、何をどう考えるかが決まります。(P3)成果を出している人とそうでない人との違いは、「視点のマネジメント」―つまり、意識的に「視点」を変えることができるかどうか、だそうです。
しかし視点は「同じ環境で日々の仕事に取り組むうちに、無意識に焦点は固定される(P24)」そうです。
日々の業務に取り組む上で、視点が固定化されることが必ずしも悪いことではないそうですが、未経験の問題・仕事に対処する際には、固まった視点が邪魔をしてしまうとのこと。
Dragon Eyes / AJU_photography
●3つの視点軸とは何ぞや?
前述の固定化した視点≒思考の枠組みから抜け出すために、意識的に視点を動かす必要があるわけですが、本書で取り上げられている視点は3つ。
「レベル」「ポジション」「時間」の3つの視点の軸を持ち、3方向に動かせるようになると、多面的にものごとを検討したり、アイデア発想を触発することができるようになります。(P34)1つずつざっくり挙げていきますね。
<「レベル」の視点軸>
レベル=抽象度のこと、と本書では解説されています。
・「レベルが高い」とは、より抽象的であること本書でも紹介されていますが、ロジックツリーをイメージすると分かりやすいかもしれません。
・「レベルが低い」とは、より具体的であること (P38)
「レベル」の視点軸における高度な思考とは、
1)低いレベルの事象を理解していると定義されています。
2)その上で抽象度を高めたレベルに昇華して話ができる
3)自分が今どのレベルの話をしているのかを意識できている (P58)
ココでは、「わかりやすい説明の仕方」の超具体的な例や、「レベルチェーン」というアイデア発想法についても紹介されています。(続きは本書で!w)
desperate eyes / pochacco20
<「ポジション」の視点軸>
この視点軸がなぜ大切なのか?
「相手の気持ちになれるかどうか」が仕事の質を左右する(P96)という1行に尽きるかと。
さすがにコレだけだとミもフタもないので、もう少し紹介すると、
「自分から視点を一度外に出す感覚」を持つことで、自分自身の考えを客観的な視点から評価できたり、普段自分の意識の焦点が当たっていない情報から、他者が考え得ることを想定したりして、多くの気づきを得ることができるようになります。(P98)ということです。
その視点を動かすべき他者とは、「具体的な自分の周りにいる他人(上司・同僚・部下/社内の他部署/得意先・競合他社など)」と、「空想上の架空の人物(ペルソナ)」の2つに分かれるとのこと。
Foxy Eyes / normalityrelief
<「時間」の視点軸>
時間に対する感覚は人それぞれ、という著者。
問題解決の場においても、
*問題を解決する「未来」に対して意識を向ける人がいるとのこと。
*問題が起こった原因の「過去」に焦点が当たる人 (P125)
時間軸の視点には、この「未来」と「過去」をキーにした2つの方向があります。
1)現在から過去・未来に向かう視点
⇒「原因分析」「パターン認識」を行なう。
その上で未来に視点を向けて、解決策・改善策のアクションを考え、計画し、着実に実行していく
2)未来から現在に向かう視点
⇒原因追求より解決志向の方が問題解決しやすい「人の感情が絡んだケース」
過去からの積み重ね的な発想から離れて「斬新なアイデアが欲しいケース」
の2つに有効。(詳細は本書P136を参照)
my eye / mcclanahoochie
●3つ視点軸を統合する=3D思考
上記でざっくりご紹介した3つの思考軸。
本書では、
この各軸で視点を動かすことを意識する際には、3つをイメージの中で空間的に自分にとって一番しっくりくる方向を決めておく(後略)(P151)ことを推奨されています。
(上下・左右・前後を、それぞれの軸に当てはめ、立方体をイメージする感じ)
これら3つの軸は互いに影響しあっており、1つの軸のレベルが上がれば、それに伴って残り2つの軸も自動的に動く、という感じとのこと。
この3つの軸を使うのがアタリマエになれば、重要な課題を見落とすことは減ります。
漏れをなくすために、それぞれの軸における質問例が挙げられており、非常に参考になりますよ!(P162~163)
3つの思考軸を操る=3D思考を身につけることで、
ものごとの全体像を構造的に押さえ、1つの枠にとらわれず幅広い範囲から思考の焦点を意のままに操ること(後略)(P163)ができるようになります。
本書にはそれぞれの軸を身につけるためのトレーニング方法についても、かなり具体的に解説されているので、明日から1つずつ身につけていきたいと思います!
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■編集後記■
久しぶりの書感、やっぱ長くなりますわー・・
最初にまとめ→それぞれを簡潔に解説、ってのが理想なんですが。
年末までバタバタだけど、風邪なんてひかないんだからねっ!という覚悟で臨みたいと思います。
ではまた!
<目次>
はじめに
第1章 なぜ視点が大切なのか?
第2章 「レベル」の視点軸
第3章 「ポジション」の視点軸
第4章 「時間」の視点軸
第5章 3つの視点軸を統合する
おわりに