NEO踊るOL。

もう踊っていないOL。Writer/Editor。おいしい肉に目がない。都内に生息。

【書感】会議をPDCAに振り分けろ!~脱会議/横山信弘

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こんばんは、積ん読本消化にメラメラ燃えつつ、惰眠をむさぼる踊るOLです。

みなさん、会議、スキですかー?
ワタシは嫌いですー。ナゼって、これまで「実のある」会議だった経験が少ないから。

今日ご紹介するのは、そんなダメ会議から抜け出すための指南書です。


本書にはダメ会議の実例がたくさん出てきますが、
けっこー「あるある!」って内容のモノが多かったです。

特にTV会議の例や、著者が「人生最悪の会議」と取り上げている会議とか。

新卒で入社したカイシャがシステム系だったので、しょっちゅう会議やミーティングがありました。
もちろん、全部が無意味だとは言いませんが、22時スタートのミーティングで建設的な意見が出せるわけないですよねぇ。今思えば、何やってたんだか…
(所属してたカイシャを否定したいわけじゃないですよ、念のため)


本書は3部構成。
1部では会議の問題点を明らかに。
2部では実際にダメ会議から抜け出す=脱会議のためのマニュアル。
3部では、実際に脱会議した後のお話や、脱会議を推進する際にぶつかる壁について。




●「1分50円」は高いか?安いか?

会社員のヒトであれば、一度は耳にしたことがある上司のセリフ。
すなわち、

「コスト意識を持て」

けれど、そのコスト意識、「使うコスト」に対してはキビシイけど、
かかってるコスト」については、ずいぶん無頓着じゃありませんか?

つまり、新しく何かを購入するときはアッサリ却下されるけど、目に見えにくい電気代や人件費についてはノーチェック、みたいな。


本書では、簡易化のため
「年間休日120日の会社で、年収600万円のメンバーが参加」していると仮定して、会議コストを計算しています。

上記の例をもとに試算すると、ちょっと長いですが以下のようになります。
仮に、10人参加する会議を1時間したら、3万円になります。この会議を月に2回実施すると、年間では24回となり、計72万円となります。
(中略)
ただし、会議にかかるコストは、このような会議時間中の人件費だけではありません。隠れたコストを列挙すると、ざっとこうなります。

・資料作りの時間と人件費
・会議のための打ち合わせ(根回し)の時間と人件費
(中略)
・会議室料(賃料、メンテナンス、施設管理、照明、空調費など)
(中略)

会議中の人件費とこれらをまとめて「会議総コスト」と呼ぶことにしましょう。会議にこれだけのコストがかかっているのを認識しない人が多いことも、会議がなくならない大きな理由のひとつなのです。

本書にもとある会社の会議総コストの試算が載っていますが、総コスト分の利益を得るためには、どのくらいの売上が必要なのか考えたことのある上層部は少ないでしょう。


また、全国に支社・支店・営業所を展開している会社では、地方拠点との会議にTV会議システムを導入するところも多いかと思います。

数百万もするシステムを導入しながら、今じゃ全く使われていない…なんて会社もあるのでは?
(何回使えばモトが取れるか、計算してみると恐ろしいですね)


「1分50円」でも、総コストで考えると、どえらい金額になります。
一度冷静に計算してみることを強くオススメします。
(ワタシも計算してみて、青くなりながらこの記事を書いてます(笑…えない))


↑イトコの結婚式@ベトナム

●会議を目的にしちゃダメ!

本書でものすごく腑に落ちたのがココ。
 事業のさまざまなことは、このPDCAサイクルに当てはめて考えることができます。そして、この見方からすると、会議とは、PDCAサイクルを正しく「回す」ための、マネジメントの「道具」だと言えるのです。
 ところが、多くの人がこのような意識を持っていません。
例えば、上司に「何をやっていたんだ?」と聞かれたとき、部下の「会議してました」という言い訳は、何となく通ってしまいます。でも、同じ道具でも「スマホしてました」「ハサミしてました」と言う人はいません。
つまり、会議は道具だと認識されていないのです。(P90)
ホントにそのとおりです。
「会議してました」ではなく、「◯◯を決めるための会議をしていました」等、目的とセットで伝えないと、正しくない。


会議にかかる「人件費」は目に見えにくいコストだけど、経費には変わりありませんよね。
計算機1つ買うにも、モノであれば理由を細かく聞かれるのに、人件費には何も言われないなんて、よく考えたらおかしなハナシです。



↑前職の全社会議@両国国技館。バブリー(笑)

●目指せ「十割部下」!実行を「ロック」せよ。

月次や週次の会議で、「今月・今週は◯◯をココまでやる」とコミットするケースは多々あります。

けど、それって100%達成できていますか??

そもそも、行動計画が数値化されていないと意味が無いけど、パーセンテージではなく「できた」か「できなかった」か、で判断すべきだとワタシは考えています。

本書では、そこそこやっている部下を「八割部下」と呼んでいますが、「決められたことをキッチリやり切らないものの、とはいえ、まったくおやっていないのではなく、そこそこやっているものだから、上司もあまり責められません」という点には、少しギモンが。

いや、そこは叱ろうよ、と。
(最も、最近は「叱れない上司」も問題化されてますね)

本書では、
「期限」と「ノルマ」を”絶対”に達成することを義務付けると、部下は自分で考えて、工夫してやり切ろうとします。それでも無理な場合、上司や同僚などに相談するはずです。
 行動計画を立てたら、必ずやり切る。こういった部下を、私は「十割蕎麦」に引っかけて「十割部下」と呼びます。(P107)
とあります。

どうせなら、十割部下になろうじゃありませんか!
(と思えるかどうかは、今のカイシャとの関係次第ですけども(笑))


十割部下をいくら目指していても、目標設定がおかしかったらダメ。
その設定の仕方や、コミット(=ロック)のさせ方についても、丁寧に解説されています。

中でも大切だと思ったのが、
自分の力ではどうにもならないことに対しては、初めからロックしないようにしましょう。
という点。
「クレーム件数の低下」など、自分の行動でカバーできないことを目標にしていませんか?

ロックすべき目標は、自分の頑張り次第で達成できる&数量化されたモノであるべきです。



↑会議…?

●まとめ

実際の脱会議の方法は、本書をお読みください(笑)

この記事では、ワタシが常日頃から引っかかっていた「かかってるコスト」に対する無頓着さと、自分でも明日からすぐに実行できそうなことについて書きました。

ワタシ自身は今の会社に転職してから、会議の回数はだいぶ減ったので、あとは内容を充実させたいなと思っています。

ただ、同僚の中には会議の準備に追われまくっているヒトもいるので、本書のアドバイスにもあったように、ソっと本書を机の上に置いておこうかと(笑)

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■編集後記■

本書は日経BPマーケティング社のTさんよりご恵贈いただきました
Tさん、ありがとうございます!数年前に読んでいたら…と悔やまれます(笑)

ううむ、それにしても毎回長くなっちゃうなー。
要約した記事じゃ差別化しにくいし(そもそも、まとめるのニガテ)、どうしても自分のアンテナに引っかかったトコロについて書いちゃうんですよね。

んで、自分の実体験や意見も入れないと、書いててツマンナイなーと思ってると…長い。


いつも最後まで読んでくださって、ありがとうございます!精進します!


<目次>

はじめに――会議をやめなきゃ、間に合わない

パートⅠ あなたの会社を会議がダメにする
 1章 あなたは「会議中毒」ですか?
 2章 会議の何が問題か
 3章 会議がやめられない人たち
 4章 残念なミスコミュニケーション
 5章 会議うつと会議ペット

パートⅡ 脱会議マニュアル
 6章 STEP1:会議をすべて書き出す
 7章 STEP2:ホテルや旅館でゆったりとプランニング
 8章 STEP3:実行とは「ロック」すること
 9章 STEP4:進捗確認は「資料」で
 10章 STEP5:最も重要な「カイゼン」会議

パートⅢ 組織を良くするために
 11章 がんばれ、上司!
 12章 インターナル・ブランディング
 13章 社内ソーシャルメディア
 14章 プチ脱会議
 15章 「会議難民」をなくそう
 16章 PTAだって脱会議

おわりに