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キャリアコンサルタントから見た「女性活用」を阻む4つの壁。

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Baroness Hanham with Leicester Business Women Baroness Hanham with Leicester Business Women / Department for Communities and Local Government 最近よく耳にするようになってきた「女性活用」というコトバ。 ワタシの友人たちは、起業していたり、バリキャリ(バリバリ働くキャリアウーマン)なヒトが多いんですが、世間的には総理が「女性活用」と口を酸っぱくして掲げまくるくらい、活用できていないようです。 ワタシはキャリアカウンセラーとして、主に医療従事者(看護師・薬剤師)の方々の就職・転職・復職の相談に乗っており、まさにこの問題に日々ぶつかりまくっているので、たまにはシゴトに絡めた話題について書いてみようと思います。 ※この発言は個人の見解であり、所属する組織の公式見解ではありません。 ●なぜ「女性活用」って騒がれているの? 発端は定かではありませんが、IMF国際通貨基金)が2012年10月に発表したレポート、『女性は日本を救えるか?』が非常に分かりやすいです。 ものすごく平たく言うと、  *日本の高齢化が世界のどの国よりも早く進んでいることへの強い危機感 *急速な高齢化と少子化で生産年齢人口(働く人の数)は激減する *2050年にはピーク時の4割落ち込み、GDPは、ほかのアジア諸国を下回るという見方もある *労働力の縮小を食い止める手段が、埋もれた潜在力=女性の活躍を促すことである という感じ。 厚労省が発表している「働く女性の実情(2012年版)」によると、少しずつ改善されてきてはいるものの、先進諸国と比べると、いまだにM字型カーブの傾向が強いです。

※M字型カーブとは※ 日本人女性の年齢階級別の労働力率(15歳以上の人口に占める求職中の人も含めた働く人の割合)をグラフで表すと、学校卒業後20歳代でピークに達し、その後、30歳代の出産・育児期に落ち込み、子育てが一段落した40歳代で再上昇し、アルファベットの「M」のかたちに似た曲線を描く傾向が見られます。「M字型カーブ」とはこのグラフの形態を指し、日本人女性の就業状況の特徴を表す用語としても定着しています。(人事労務用語辞典より)

第一子を出産した女性のうち、約6割が仕事を辞めてしまうんですね。 その後、再就職する女性は増えますが、半数以上が非正規雇用(パート・契約社員など)と言われます。 つまり、日本の女性は先進国の中で最も働いている人口が少ないんです。 でも、今後少子高齢化に伴って労働人口が減っていったら、日本経済は縮小する一方ですよね。 それを防ぐためには、女性を活用するしかない、というのが「女性活用」が騒がれている理由です。 前述のIMFレポートによれば、「日本女性が先進国並みに働けば、一人あたりGDPが4%成長する」とのこと。 また、ゴールドマン・サックスの「ウーマノミクス3.0(2010年6月)」によれば、「男女の就業率格差を是正すれば、GDPは約15%成長する」とも言われています。 GDPの成長率の数値はさておき、いずれにしても女性活用によってGDPが大幅にアップすることは間違いないようです。 女性が働くことで、なぜGDPが上昇するか?をカンタンに言うと、 働く女性が増える→家計の収入が増える→消費が増える→需要が生まる→結果として経済全体のパイが拡大する ということですね。 Happy Mums day to me Happy Mums day to me / Got Picz? ●女性は働きたくない? 「専業主婦は今やアコガレの的」「結婚したら働きたくない」というようなハナシをよく耳にしますよね。 <専業主婦になりたい的な参考サイト> *専業主婦になりたい独身女性必見!早く専業主婦になる方法独身女性50.5%が「玉の輿」希望 -「専業主婦になりたい」「お金がほしい」 しかし、厚労省が発表している労働白書によると、少しデータが古いですが、「女性は職業をもたない方がよい」と考えているヒトは、たった1.7%です。みんな働く気マンマンです。

一般的に女性が職業をもつことについては、「子供ができてもずっと職業をつづける方がよい」とする割合が41.9%と高く、次いで「子供ができたら職業をやめ、大きくなったら再び職業をもつほうがよい」が37.0%、「子供ができるまでは職業ももつほうがよい」が9.1%、「結婚するまで は職業をもつほうがよい」が5.4%、「女性は職業をもたないほうがよい」が1.7%となっている。 (「平成17年版 労働経済の分析 第2章 労働力供給の現状と課題」より引用)

なんで「専業主婦バンザイ!」的なことが言われているのか、サッパリ分かりません。。 ●女性活用を阻む問題って何? 働く意欲のある女性は多い、けど、現状は充分に活用できていない―何でなんですかね? (余談ですが、女性を「活用」するという表現、あまり好きじゃありません…) ワタシが日々キャリアカウンセリングの現場で、復職を希望する主婦の方とお会いしていて、女性活用の壁となっている点は大きく分けて4つあると感じています。 1.待機児童問題 ⇒預け先がない(無認可保育は保育料が高い/幼稚園はお迎えの時間が早い等) 2.長時間労働 ⇒世界一の長時間労働と言われる日本。子どもが欲しいと考えている正社員の女性が躊躇する要因の1つ。 3.柔軟ではないルール ⇒育児や介護に合わせた働き方ができない。短時間労働・在宅勤務などを取り入れている企業が少ない。 4.家事・育児の負担割合が、女性のほうが圧倒的に高い ⇒フルタイムで働いて、家事も育児もカンペキにやるなんて、両親と同居or近所に住んでいないと無理。 もちろん、コレだけではないと思いますが、主に壁となっているのはこの4つかと。 長くなってしまうので、それぞれの問題については、また次回! ではまた! たまにはマジメなことも書いちゃうよ、とドキドキしてる踊るOL(@jaggyboss)でした! <シリーズ「キャリアコンサルタントから見た女性活用の壁>
待機児童問題ってナニ? キャリアコンサルタントから見た女性活用の壁(1) | 踊るOL。
 労働時間より成果で評価する社会にしよう キャリアコンサルタントから見た女性活用の壁(2) | 踊るOL。
「働きたくても働けない」を解決する2つの提案 キャリアコンサルタントから見た女性活用の壁(3) | 踊るOL。